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ときめき [61~80]

春は出会いの季節と言われているさうだ。
僕様も新しい出会いを探しに出掛けた。
 
 
 
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5番目に着いた島は苺の島だつた。
白いごはんが島中にフワフワと浮いている。
いちご島での遭遇
見るからに平和で気持ちの良い島である。
その島に住んでいるラヴォクスがこちらに気付いて近寄つて来たので、僕様は素敵な島だと褒めた。
だけど私は不幸せなのよ
このラヴォクスは何を言つているのだらう。
こんな島に住んでいるリヴリーが不幸せなはずがあるまい。
バイオレコードを見ると、ストレスは0%だし、満腹度は100%だ。
飼い主との関係がこじれているわけではあるまい。
(ちなみに僕様はストレスが0%なことなど稀(まれ)であるし、満腹度が100%なことだつて数日に一度だけだ)
知り合いがいない?
ラヴォクスはこの島やその外見に全く似合わない、緩慢な動作で首を横に振つた。
沢山いるわ
理由は
ラヴォクスは俯いた。
それから話し始めた。
ラヴォクスの話を要約すると、こうだ。

住んでいる島はあくまで「飼い主の島」であつて、自分自身の島ではない。
そこに居候(いそうろう)させてもらつている状態は情けない。
自分は弱い存在で、一匹では食事も散歩も出来ず。
そんな自分の面倒を飼い主がチェツクしている。
常に監視されている。
疲れていても楽しそうに振舞わなければ申し訳なく。
とても重く、苦しい。

こういつた主旨の話であつた。
変な話だと思つた。
口調は淡々としており、聞いている時には筋道の通つた破綻のない言い分だと思つた。
僕様は返答に困つた。
具合の良い、このラヴォクスを上手く元気付けるための言葉が見つからなかつたのだ。
しかし何か言わねばならぬ。
それでもこの環境の中で
その時、僕様は気付いた。
このラヴォクスが自分を幸せでないと言う時、一瞬だがどこか誇らしげな様子を見せることに。
早くこの島から離れたい、さう思つた。
 
 
 
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その後に5回目の移動で着いた島は暗い島であつた。
お墓が何個も設置されていた。
おばけ島での遭遇
楽しい気分になり難い島である。
僕様は早々に立ち去らうとした。
だがそうする前に、その島に住んでいるカンボジャクがこちら気付いて近寄つて来たので、僕様はほぼ義務感から挨拶をした。
俺は幸せだ
このカンボジャクは、はつきりと、堂々と、自分を幸せ者だと言い切つた。
僕様は興味本位からバイオレコードを見た。
ストレスは94%で、満腹度は3%である。
それは僕様にとつて納得のいく数値ではない。
俄然(がぜん)興味が湧いた。
何が氏を
言いながら、僕様は少し失礼過ぎる物言いかもしれないと思つたのだが、もう口にしてしまつたのだから仕方あるまい。
僕様は大いに期待をして返答を待つた。
立派な島がある
それ以上の何を?
この言葉を聞いて、僕様はたちまちこのカンボジャクのことが好きになつた。

これから先、このカンボジャクと良い関係を築きたい。
僕様が悩みを持つた時には、それは何でもないちょつとした出来事なのだと思わせてくれるだらう。
あるいはこのカンボジャクが沈んでいる時、前向きな思考を取り戻すのに僕様が役に立つこともあるだらう。

出会いに感謝しつつ、僕様は交際を申し出た。
断る
この返答に、僕様は大いに驚いた。
知らず知らずの内に、このカンボジャクの気に障ることをしたのだらうか?
邪心のない友情を拒絶されるほどの失態を犯したのだらうか?
考え直して
俺は強いから
そう言つた時のカンボジャクの姿は印象的で、誰かからの説得など全く受け付けないぞという目をしていた。
僕様は当然の疑問を口にした。
では友リヴは一匹もいないのか、自分を理解しやうと努めてくれる者はいないのか、と。
強い強がり
カンボジャクは顔を赤くして、そう怒鳴つた。
その態度はカンボジャクのどんな言葉よりも一番、真実を表しているやうに思えた。
僕様は何も言えなかつた。
言つてはいけないのだと思つた。
急にこの島が、とても居心地の良くない島に思えた。
早くこの島から離れたい、さう思つた。
 
 
 
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次の5回目で着いた島はこれといつた特徴のない島であつた。
野原での遭遇
この時の僕様は最初から警戒をしていた。
上に書いたやうな事情があつたのだから、警戒はしごく最もな事と理解してもらえるだらう。
島に住むワングと目が合つて、ワングが近寄つて来た。
如何なる状況にあつても挨拶だけはせねばなるまい。
私の島へようこそ
全身の力が抜けた やうに思えた。
改めて考えるとこれが『一般的な挨拶』と言うものだらう。
しかし僕様は久しくこの挨拶から離れていたやうな気分だつたのだ。
何か出来ることは
思いがけない、穏やかで優しい物言いに嬉しくなつて僕様は頷いた。
何でもおつしゃつて下さい、とそのワングは言つた。
僕様にはそのワングに頼めるやうな、これといつた望みがなかつた。
ただワングが頷かずにはいられないやうな口調で訊ねるから頷いただけなのだ。
少し考えてから、しばらくこの島で休ませて欲しい、と言つた。
そのワングは快(こころよ)く承諾した。
では私も一緒に休みましょう、隣で眠つても良いですか、と。
もちろん僕様は頷いた。
一緒におやすみ
zzzzz
 
浅い眠りから覚めて目を開けると、間近にワングの顔があつた。
丸くて愛らしい目が今は閉じられていて、優しげな印象がいつそう際立つていた。
僕様は温かい気持ちになつて、再び目を閉じた。
もつと長い間こうしていたい、と思いながら。
 
 
 
次に目が覚めた時、僕様は自分の島に戻つていた。
白鳥島へ戻った
まどろんでいる内に自動帰島してしまつたのだらう。
残念である。
あのワングと今後の交流を約束したかつたのだが・・・。

春は出会いの季節と言われているさうだ。
途中までは違つていたが、今はウキウキわくわくとした気分である。
 
 
 
次のタイトルは「プレゼントの中身」
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ライン/Loodの飼い主

私の知らない内にそんなことがあったのね。
大変だったね、お疲れ様ー。
めげずにrandomした君へ、ご褒美をあげよう。
私、最後に会ったあのワングのこと、知ってるわよ。
いつかまた逢わせてあげるから楽しみにしててねー。
 
by ライン/Loodの飼い主 (2008-04-04 21:12) 

ちこ

こんばんは^0^
ウキウキしながら遊びに来ました^m^
Loodさんいろんな経験しましたね~
いろんな人のいろんな価値観
なかなか同じ価値観を持った人に出会うのは難しいですね
でも心優しいワングに出会えてよかったですね♪
次のお話も楽しみにしてますね^^♪
by ちこ (2008-04-04 22:46) 

akusola

こんばんは。(おはようございます☆)
僕様もいろいろ旅をして、いろいろな出会いを経験して、いろいろな事を考えているんですね。まるで哲学者のようです。
このワングとの出会いは僕様にどんなものを運んでくるんでしょうね?
一緒に微睡めるってホッとできるってことですよね。
そういう出会いがあるっていいですね。
プレゼントの中身、誰に誰があげたものか考えていると、そわそわしてしまいます。
いつかぷりんの島にもたどり着くことがありましたら、その時はお花撒いて大歓迎しまーす♪(ぷりん)
by akusola (2008-04-06 06:03) 

ユリコ

と、とても素敵な奥の深いお話で、じっくり読ませて頂きました!
何不自由なくいろいろな物を与えられた環境にあって、それでも自分が「不幸だ」という事をどこか自慢そうに語るお嬢様・・・
それとは対照的に殺伐とした寂しい環境にありながら、自分は「幸福だ」と言うけれど、他人を一切寄せ付けず一人の世界に生きている偏屈な老人(老人?)・・・
そして、平々凡々としてはいるけれど、自分の幸不幸を語るよりも「何か出来る事はありませんか?」と一番に他人を思いやれる優しい心を持った青年(青年?)・・・
最後のワング君には本当に癒されました!
私もあんな人間に(あ、彼はリヴだった!)なりたいです・・・。
by ユリコ (2008-04-09 19:52) 

Lood

nice&コメントをありがたう。

>ライン
何だと?
あのワングのことを知つているのか?
・・・それでいつ僕様はあのワングと再会することが出来るのだらう?
貴様の気分次第なのだらうか・・・?
僕様が早く逢いたがつている、ということを知つておいてもらいたい。

>ちこ氏
遊びに来てくれてありがたう。
今回の放浪では楽しい気分になつたり、そうでなかつたりで、思い描く出会いというものはなかなかないのだと思つた。
難しいな。
だからこそ、一度発生した出会いは大切にしやうと思うのだ。
優しい言葉をかけてくれたことに感謝する。

>akusola氏
また来てくれてありがたう。
僕様が体験したことは誰でも体験したことのある、あるいは将来体験するであらうことだらう。
なのに僕様が哲学者然としているのは、ただ単に僕様が賢いワタメだからである。
僕様もぷりんちぇちゅ島で楽しい時を過ごせれば良いと思つている。
家出をする度 知つた島に行きたいと思つているのだが、それはまだ一度も叶つていない。
いつか僕様が氏の島に居るのを発見しても、追い出さないでくれると幸いである。

>ユリコ氏
じつくりと読んでくれたやうでありがたう。
しかも素晴らしく上手くまとめてくれているではないか。
僕様には分からない心配事を抱えているユリコ氏なのに、それでも親切にしてくれるのだから、ユリコ氏はとつても優しい人間なのではあるまいか?
僕様は僕様の飼い主にユリコ氏の優しさを見習つて欲しいと思つているのだが・・・儚い夢だな。


by Lood (2008-04-18 21:30) 

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